社労士と行政書士のダブル受験体験記

2023年に合格を目指すブログです。

★★★★官僚たちの夏 城山三郎

佐藤浩市主演のドラマで堺雅人も出ていた作品を小説で読みました。通産省の秘書課長の風越は人事カードを考えるのが日課でした。許認可権がほとんどない同省にとっての財産は「人」であり、いかに適材適所の配置をするかが肝要であると信じていました。

 

がむしゃらに際限なく働くことこそが美徳であり、そのような人材に将来を託したいと風越は考えていました。しかし、もっとも便りにしていた部下は急逝し、もう一人の部下も体調を崩してしまうなど思うように人材を育てられませんでした。そのような中にほどよく働き、ほどよく遊ぶバランス感覚のある同僚が評価されることもありました。自分が信じてきた価値観が否定されたかのようで、戸惑いを覚えながらも結局は不器用な生き方しかできない風越。

 

高度経済成長という時代の中でがむしゃらに働いた官僚と、新時代を見据えた国際派の働き方を進めてきた官僚とのぶつかり合いも印象的でした。さらに政治家の通算大臣が省内の人事にどのように関わっていくのか、政治家と官僚の絡みも見どころです。