社労士と行政書士のダブル受験体験記

2023年に合格を目指すブログです。

★★★★アメリカンヒストリーX

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アメリカンヒストリーX

以前DVDを購入した作品がネットフリックスにあったので久しぶりに観直しました。これがアメリカの奥底にある現実なのかと考えるとやり切れない思いになります。

 

------以下、ネタバレ----------------

ユダヤ人迫害主義を掲げたヒトラーに心酔した主人公のデレク(主演:エドワード・ノートン)は白人至上主義を掲げてそれ以外の黒人などを非難していた。家族の食事で差別問題についての口論となり、明日家を出ていくと言ったその日の晩に黒人2人を殺害して刑務所へ投獄される。その時は刑務所に入ることなど何とも思っていなかったのだろう。

しかし、刑務所での生活が彼の思想を一変させる。刑務所では黒人が幅を利かせており、白人至上主義のデレクは同じ白人と徒党を組む。しかし、メキシコ人とヤクの商売をする仲間に嫌気がさして付き合いをやめると、その報復にカマを掘られる。自分の無力さを知ったデレクは面会に来た校長のスウィーニーに助けを求める。それからデレクは怯えて過ごしていたが、襲われることはなかった。出所の日、一緒に働いていた黒人に「あんたが俺を守ってくれていたんだな」と気づき、信頼が生まれた。

弟のダニーはそれまで兄と同じ白人至上主義の道に進んでいたが、デレクから刑務所での話を聞いて共にまっとうな人生を歩むことに同意する。校長のスウィーニーから出された「兄」についてのレポートを書き上げ、翌朝再出発を誓って登校するも射殺される。

 

 

作品の最後で「怒りに身を任せるには人生は短すぎる」という引用がありました。前日まで怒りに身を任せていただけに、今日から変わっても結果的には遅かったのかもしれません。今まで自分たちが抱いてきた怒りや憎しみが伝染して自分に返ってきたという現実は、現代社会の矛盾を表しているのでしょう。

 

例えば世界中で保有されている核兵器ですが、ある国が保有しなくなったからと言って他の国が一斉に保有しなくなるかと言われれば違うでしょう。アメリカの銃社会も同じことかもしれません。

 

兄のデレクにとっては誰よりも辛い現実を突きつけられたことでしょう。誰かを憎んで生きる虚しさを反省して再出発を切ろうとした矢先の弟の死はその後の彼をどのように変えてしまったのでしょうか。