★★★出世と左遷 高杉良

出世と左遷 高杉良

損害保険会社の会長秘書相沢が主人公の話で、会長が絵の個展で1000万の商品券をもらうところから物語は始まる。秘書室長や総務部長などと色々な根回しを進めるも、結局会長の意にそぐわずに左遷されてしまうのはよくある話なのだろう。

宮本という専務が途中から登場するのも印象的だった。次期社長と目されていたが、会長の意向で相沢と同じ大阪に左遷されてしまう。半ばヤケになりながらも、部下を娘婿にしたいと必死に口説く。自動車事故を起こしてヤクザに絡まれた時は相沢が懸命に対応したが、課長島耕作を思い出した。

会長の死によって宮本や相沢も本社に戻れたのも世の常と言うべきか。