★★★★燃ゆるとき 高杉良
武田鉄矢のマルちゃんのCMでお馴染みの東洋水産という会社の創業から現在に至るまでの実名経済小説。
以前にワタミを描いた「青年社長」と同様にノンフィクションで実際の出来事を時系列で追っているとともに、創業者の森和夫氏も渡邊美樹氏同様に高潔な人物として書かれていたように感じた。
元々は戦後にマグロの輸出を始めたところから会社を立ち上げ、自前の冷蔵庫を確保するために奔走したり、加工食品という付加価値を付けていったりという形でビジネスを展開させていったことは大いに参考になった。
カップラーメンという食べ物を知らない人たちに認知させて興味を持ってもらい、買ってもらうためにどれだけ苦労して営業してきたのか。その辺りの苦労ももっと読みたかった。
東証一部に上場してからも、うちは魚屋という謙虚な姿勢を持って大企業病に陥ることを戒めた姿勢も参考にしたい。