★★★★★ハゲタカ2.5 ハーディ(上)
松平貴子という人物は一本気で一途な性格なのだろうと想像します。綾野剛主演の「ハゲタカ」では沢尻エリカが演じており、非常に印象的でした。自分でも不器用な生き方だと自覚しており、ミカドホテルを守るためにできることは手段を選ばずに何でも取り組んでいく生きざまには共感しました。
世界的リゾートグループのリゾルテ・ドゥ・ビーナスに買収されたミカドホテルでしたが、ビーナス社の執行役員に任命されたこともあり、貴子はパリへ飛びます。オーナーのフィリップ・ビーナスや副社長のモニカ・バーンスタインとの出会いから始まり、祖父母に世話になったという将陽明という中国人が「ミカドホテルを取り戻す手伝いをさせていただきたい」という申し出から様々な事件に巻き込まれていきます。
それにしても、中国人の工作員という存在は実に恐ろしいと感じました。任務遂行のためにいとも簡単に人の命を奪ってしまう、共産主義国家という権謀術数うごめく政府の中で誰が主導権を握るのか、日本でいうヤクザたちの仁義なき戦いとでもいうべき争いで見ている分にはワクワクさせられます。
元社長の自殺やオーナーの突然死、そして未亡人が殺害されるなど、経営をゆるがすたくさんの事件がビーナスグループに起こり、後を継いだモニカも頭がいっぱいになるのも無理からぬことかと思います。そのような中でもお客様へのサービスを忘れない貴子の存在が注目されてきました。
今後のミカドホテルの行く先がどうなるのか、楽しみです。